【修行】2021/6/21 郡山―新潟ラン
2021年6月20日の夜、翌日の天気予報を確認する。久々の晴れだ。ちょうど研究室でやらなくてはいけないことも無い。これは走るしかない。
大学4年間のうちに、長野県などで走りたいと思っていた場所は概ね制覇してしまっていたので、なにか新しいルートを考える必要がある。修士1年の秋に走った只見線は自分の走力限界ギリギリを攻めつつ、見どころもたくさんありとても充実していた。あのようなランをまたやりたい。そう考えたとき、自分の選択肢が意外と狭いことに気付いた。自分でルートを作って一人でランをする時は当然自分勝手にルートを組むが、以下の3つの制約の下組まざるを得ないのが現状だ。
- ① スタート及びゴール地点がある程度アクセスの良い鉄道駅である。
さらに詳しく書くと、スタート地点については(1)新幹線駅である。(2)赤羽もしくは国立駅から乗り換えが1回程度でアクセスできる。(3)東京、赤羽、国立いずれかの駅の始発列車に乗って、ある程度早い時間につくことが出来る。これら3つの条件のいずれかを満たす駅で無いと、アクセスに時間が掛かりすぎて満足に自転車に乗る時間を確保できない。まあ、西は松本駅、北は二本松駅(福島のやや南辺り)をスタート地点にしたこともあるので、あまり厳しい制約とは言えない。
ゴール地点については、新幹線駅であればすぐに東京に戻ってこられると考えているが、こちらも鶴岡や会津若松などの、4時間以上かかるルートで帰ってくることもあるのであまり厳しいとは言えない。
しかし、青森や岐阜などは、あまり鉄道が通っていないことや、そもそも東京から遠いことから、走ってみたい場所もいまだ走れないのが現状である。
- ② スタートとゴールの距離が200km以下である。
これは単純に自身の走力の問題である。200kmと大雑把に書いたが、獲得標高についても同時に考慮する必要がある。180km獲得1,000mや150km獲得1,500mであればギリギリ行けそうな気がするが、それ以上増えたら厳しい気がする。当然気温などの制約も受けるためあいまいな基準ではあるが、何となくの感覚でいけるか否かを判断した上でルートを組む必要がある。
- ③ゴールに温泉がある。
誰が何と言おうと、これは天地がひっくり返っても譲れない絶対条件である。
1つ目と3つ目は自分ではどうしようもない条件だが、2つ目については自身の走力、限界を正確に把握する、そして走力、限界の上限を上げることで改善の余地があり、より自由度の高いルートを組むことが可能になる。
そこで考えた。少し無茶に思えるようなルートを組んで自分に走らせることで能力の上限を上げよう。要するに修行をしようではないかと。梅雨が続いてなんとなく走り足りない思いもあったせいか、このような考えに至り、そして実行したのが今回のランである。今までの景色や見たいところ優先のルート設計ではなく、とりあえず距離の遠いところを繋いで走ってみる脳筋ランだ。今までの稲葉の旅のコンセプトとは乖離してしまうが、これを機に地図には載っていない新たな景色が見つけられるかもしれないし自分のランの幅も広がるのでやってみることにした。
ルートの候補としては以下の3つがすぐに挙がった。いずれも今までスタートもしくはゴールとして利用したことのある駅を結んだルートである。
- ① 国道352号ルート(200km獲得3,400m)
途中で奥只見湖や樹海ラインなどの絶景ポイントっぽい場所があり、従来の稲葉ランの楽しさを含みつつ、圧倒的獲得標高で自身を苛め抜くセルフ飴と鞭ルート。只見周辺が素晴らしいことは既に以前の只見ランが証明しているのでぶっちゃけめちゃくちゃ走りたい。
- ② 高崎→新潟ルート(230km獲得1,900m)
①よりは距離が伸びているが、獲得標高が大幅に減っているため割と現実的なルート。高崎も新潟も輪行駅として何度も利用した経験があるためそこも安心ポイント。序盤に悪名高い三国峠があるが、そこを乗り越えてしまえばあとは割と下り基調なので序盤さえ耐えれば行けそう。途中には素晴らしい田園が広がる南魚沼があるためそこも楽しみ。しかも、すぐそばを鉄道が走っているため万が一のトラブルの際には途中リタイアもできるので安心。
- ③ 郡山→新潟ルート(180km獲得1,000m)
上2つと比較したら距離獲得標高いずれも優しいが、十分に距離を走れるルート。道中にめぼしい景色などがなさそうなのでモチベーションを保てるかが少し不安。
文章のノリから分かる通り、①が一番走りたいが、今まで経験したことが無いくらいえぐい。多分日帰りするのは無理だとは思われるが、軽く下調べをした時に見つけたブログで書かれていた、樹海ラインの描写が非常に魅力的でめちゃくちゃ走りたくなってしまった。梅雨の中の貴重な晴れ間に加えて絶景候補を見つけてしまった喜びで、ルートを考えるだけで楽しくなってしまった私は、さっそく翌日このルートを走ることを決意する。無事走り切れるとも思えないが、もう止まれない。行くしかない。
そして翌朝4時、起きた時点ではまだ雨が降っていたが、予報では今回行こうとしている付近は雨が降らなそうなのでとりあえず出発することにした。しかし天気を調べている時に衝撃の事実が発覚した。なんと、走ろうと思っていた国道352号がまだ冬季閉鎖期間中で通行止めされているというではないか。なんということだ、もう6月も半ば過ぎたのにまだ通行止めなのか…。嗚呼…走りたかった…。
352号を走れないのは惜しいが、せっかくの晴れの機会だ。どこか走らないともったいない、ということで③の郡山→新潟ルートを走ることにした。②でも良かったのだが、高崎を出発地とするならば赤羽まで走って輪行するのが経験上一番良いが、まだ雨が降っていて流石に厳しかった。始発には間に合わなかったが、最寄駅から輪行し、大宮で新幹線に乗り換えて郡山に向かう。今までなにも考えずに新幹線に乗る時は東京駅から乗っていたが、北に向かう際は大宮から乗る方がお得だということに今回初めて気が付いた。
郡山で輪行を解除し、いよいよスタートだ。まずは郡山から少し登りながら東に向かい、会津若松を目指す。まだ少し雨は降っているが、天気予報アプリによるとこの後は止みそうなので構わず出発する。実はこのルート、大学3年の頃に走ったことがあったため、実に3年ぶりに走ることになる。特にいい景色があるわけではないが、3年前に休憩した場所で再び休憩したりすると懐かしい気持ちになる。悪くない。
初めは降っていた雨もすっかりやみ、遠くに見える磐梯山には青空も見える。
緩やかな登りを終えて猪苗代湖についた。強清水という湧き水で有名な場所で昼ごはんに蕎麦をいただき、湧き水をボトルに汲んで午後のランをスタートする。残り120kmあるが、登りはほぼ終わり気温もそこまで高くない。これならいけそうだ。
ここからが地獄だった。
会津若松を通過し下りが始まるかと思った矢先、強烈な向かい風が吹き始めた。めちゃくちゃ強い。会津若松を過ぎてすぐのところにある道の駅で天気アプリで確認すると、7m/sの風がこの先ずっと吹き続くことが判明した。なんてこった。普段ルートを組むとき、なにかと風向きを確認し忘れて風に苦しめられることはあったが、今までのとはレベルが違う。100km以上ずっと向かい風は経験したことが無い。暗雲が立ち込め始める。しかし、いつまでもここで留まっていてもどうしようもない。覚悟を決めて再度走り始めた。
この先60kmほどはほとんど覚えていない。ただただ辛かった。いつも通り漕ぐと20km/h程度しか出ない。しかもめちゃくちゃ疲れる。ただ走るしかない。いや、むしろいい訓練だと思ってとにかく走る。走る。走る。途中、只見線の表式が見えてめちゃくちゃ行きたくなるが気持ちをぐっと抑え、あまり代わり映えのしない景色の中を、向かい風の中を進んでいく。途中いくつかいい感じの場所があったので写真だけ貼っておく。
残り40kmほどになると風が収まってきた。おお、風が収まると何と走りやすいことか。しかし、向かい風で足は削られ、残り40kmが果てしなく感じる。しかもここにきて再び雨が降り始めた。なんてこった。予想以上に時間が掛かってしまったため、雨宿りなどしていられない。このまま走り続けるしかない。なにもない道を雨に降られながらひたすら走る。
ボロボロになりながら残り20kmまできた。ここにきて雨も収まってきた。20kmなら1時間程度で行けるはずだ。この時点で日は沈みかけていたためのんびりしていられないため、最後の力を振り絞りがむしゃらに漕ぎ続ける。終わりが見えてきたことで体にも元気が戻り始めた。限界を超えてゴールに向かい続ける、これぞ修行。汗と雨でぐちゃぐちゃになりながらとにかく飛ばす。足が吊りそうになるが構わない。むしろ明日の筋肉痛を楽しみにしながらとにかく飛ばす。
そしてついに新潟市街に入り、目星を付けていた温泉についた。多少高いが、レビューの評価も高く内装も素敵でとても楽しみにしていた。疲れ切った体が温泉を求めている。しかし、ここで最悪の事態が判明した。なんとコロナ対策で県外の客の受け入れを注視していたのだ。なんてこった、、、なんてこった、、、なんてこった、、、ここまでコロナを恨んだことがあっただろうか、、、
急遽周辺の日帰り温泉を探し、新潟駅の近くに1箇所見つけた。しかしここから5kmも離れている。今まで180kmも走ってきたのだから5kmくらいなんだと思われるかもしれないが、満身創痍でやっとついた、もう走らなくてもよいと気を抜いた直後にもう5km走らなくてはいけないと判明するのは話が違う。辛すぎる。もはや漕ぐというより這うといった感じでなんとか前に進む。
永遠にも思われる5kmをなんとか走り切り、念願の温泉に飛び込む。生き返る。自転車でえぐった後の温泉は何事にも代え難い幸せに包まれる。溶ける。脳が、体が溶ける。1時間近く蕩けてしまった。当初行こうとしていたところには及ばないが、ここも良い温泉であった。やはり制約③は絶対だ。
温泉から上がって最後の3kmを走る。さっきの5kmとは違う。これは言わばウィニングランだ。よく頑張った俺。よく耐えた俺。火照った体を雨で冷えた夜の空気が通り抜けていく。これもロングライドの醍醐味だ。そしてようやく目的地であった新潟駅についた。
この時点で9時を回っていた。もはや空腹を感じないほど腹が減っていた。食わねば。こんなにえぐったのも久々だし、せっかくの新潟だし、久しぶりに一人で晩酌を楽しむことにした。
いい感じの店を見つけすぐさま入る。端的に言って最高の店だった。とにかくなめろうがあり得ないくらい美味かった。そして日本酒も良い。一人で晩酌をする時は大抵日本酒飲み比べを注文するが、流石新潟、6種類合計2合の飲み比べセットが1000円で楽しめてしまった。最高。
1回の夕飯で5,000円も使ってしまったが後悔はない。金を使ってこその旅だ。
宿泊し慣れたネットカフェでベロンベロンに酔いながら、新潟の夜は更けていった。
【千葉】ツギハギ東京湾制覇
【東京湾制覇へ】
2月は寒い。
山は登れない。
なので平地を走ろう。
さてどこを走ろう。
そういや千葉全然走ったことねーな。
よし行こう。
ということで、千葉を走ってみることにした。当時は犬吠埼以外で千葉に行ったことが無かったので、東京湾沿いの道は手つかずであった。どうせほぼ平地だろうし、なんか大きい道も走ってるっぽいし余裕そうだったので、とりあえず走ってみることにした。
三浦に走りに行くとき、いつも「東京湾フェリー」なるとても魅力的な交通手段が気になっていて、いつか利用したいと考えていた。なので、とりあえず千葉側のフェリー発着場である金谷まで走って、帰りはフェリーに乗ることにした。
「道が走っている」ことと「フェリーで帰れる」以外のことは一切調べずに、とりあえず走ってみることにした。
東京湾沿いについて、神奈川東京の道は走り尽くしていたので、千葉も走破すれば晴れて東京湾制覇となる。制覇、なんかいいよね。制覇したい。まあツギハギなんだけど。
【ひたすら平地】
ということで2018年2月15日、朝7時に自宅をスタートした。とりあえず千葉駅までは犬吠埼に行くときに何度も走っているので、勝手知ったる道である。
まず新宿を通過して皇居付近まで走る。朝の皇居いいよね。皇居を通過してからは国道14号を走ってただひたすらまっすぐ進む。特に何もない。つか交通量多いな。
【地獄】
千葉駅付近を通過してからは、主に国道16号を、ときどき逸れて海沿いを走ろうと思っていたが、これがめちゃくちゃ渋い。工業地帯なので、とにかくトラックが多い。かつてないほどトラックまみれだ。道幅は広いけどトラックもでかい(当たり前)。通過するときめちゃうるさいし、風強いし、圧力がヤバイ。通過した後も排気ガスでくせえ。しかもこれが間断なく続く。地獄か?
もうこの道は自転車では二度と走らないと誓った。
工場地帯自体は好きなんだけどね。
【富津はいいぞ】
ひたすら平地で面白みも無い道をただひたすら走り続けて、木更津まで来た。ひたすら平地だ。退屈だ。どこか面白そうなところがないか探してみると、少し行ったところに富津岬という、海に少し飛び出た岬を発見した。少し遠回りになるが行ってみることにした。
人がいない。富津を走り始めてすぐに感じた。走っていても全然人がいない。ほんとに人が住んでるのか?船着き場周辺も人が全然おらず、猫の方が多いくらいだ。言い方は良くないが寂れている。人がいなさ過ぎて不気味なくらいだが、この退廃的な雰囲気は好き。
道を逸れて少し走るとすぐに富津公園なる公園に入った。どうやら岬の先端は公園の一部らしい。この公園は道が整備され、周辺が林に囲まれていてとても走りやすい。道もずっとまっすぐなので気持ちがいい。林を抜けると巨大な何かが海にせり出しているのが目に入った。なんだあれ。すげーでけー。
どうやら展望台になっているらしく、「明治100年記念展望塔」というらしい。岬に展望台というのは珍しくないが、こんなに巨大なものは初めて見た。かっちょいい。写真撮っててすげー楽しい。登れるっぽいので、せっかくなので登ってみた。遠くから見るとピラミッドのように見えたが、2m四方くらいのスペースが互い違いに階段でつながれていて上まで行けるらしい。
登ってる途中写真撮るのもめちゃ楽しい。
頂上まで登ると前には東京湾が、後ろにはさっき走ってきた岬が見渡せた。自分が走った場所見えるのはエモい。この日は霞がかかっていて遠くまで見渡せなかったが、天気がいいと東京湾の向こうに富士山が見えるらしい。千葉からも見える富士山おそるべし。
ここまで何も面白いものがなかったが、富津でチャラになるくらい楽しかった。巨大構造物はいいぞ。
【内陸も何もない】
富津までで既に120kmほど走っていた。ほぼ平坦だったのであまり疲れていない、というわけではなく、工業地帯を走るトラックの大群に精神的にも体力的にも擦り減らされていたのですでに割とへとへとだった。ゴールの金谷まではまだ割とある…。しかしただ海沿いを走っても退屈なのは明白なので、せっかくだし内陸も少し走ってみることにした。
だんだん日も傾いてきて薄暗くなってきた。千葉の内陸は林が生い茂っており鬱蒼としていた。道沿いに建物は何もなく、あったとしてもラブホテルの廃墟ばかりだった。まじでラブホまみれだった。
一応ダムなども寄ったがそんなに大きいものでもなく、あまり見どころもないまま金谷に到着した。
【みんな大好きフェリー】
金谷からは久里浜へのフェリーが出ていたので、これを利用して帰ることで東京湾制覇ということにしよう。つか東京湾フェリーに乗ってみたかったからこのルート走ったといっても過言ではない。
フェリー出発まで少し時間を潰して、フェリーに搭乗した。フェリーだと輪行しないでそのままチャリ載せられるからいいよね(新歓合宿は例外)。
生憎曇っていて夕焼けは見えなかった…。わざわざ夕焼け見るために時間調整したのに…。夕焼けをいずれリベンジすることを誓い、久里浜に到着した。
ということで晴れて東京湾制覇を達成した。ぶっちゃけ工業地帯がだるすぎたので、今度千葉行くときはハナからフェリーで行くことになると思う。もうあんな場所二度と走りたくねえ。
次回は伊豆半島
【相模川水系】ダム好き
【久々ぼっちラン】
年を越して2018年の2月、大学生がスキースノボに励む時期だが、あいにくそれらのウィンタースポーツは苦手なので、冬だろうと関わらず私はチャリに乗っておりました。
夏合宿以降は、耐久ランに途中まで参加したり、乗鞍に行って留年生が崖から落ちかけたり、三田合宿で極寒の日光に行ったり、ゴリラ先輩と手賀沼に行ったり、某社長とみなとみらいに行ったりしていた。
このブログではぼっちラン以外を書くつもりはないので具体的な内容は省略するが、どれも良いランだった(適当)。
今回は約3ヶ月ぶりのぼっちなロングライトとなった相模湖ランと、1年ちょっと前に行っていたらしい宮ヶ瀬ランを併せて、かながわの水がめたる相模川水系を紹介する。
【道選びは大事】
2/8に某社長と走ってから、2018年の稲葉の自転車シーズンが開幕した。が、まだ寒いので誘っても来てくれる人があまりいない。なので、ここは人と走るにはコンテンツ力が低いが、個人的に好きな宮ヶ瀬ダム方面に足を伸ばすことにした。
1年の時に宮ヶ瀬に行ったときは甲州街道を走って行ったが、割と道がガタガタしているうえに高通量が多いのであまり走っていて楽しくない。今回は少し遠回りして、多摩川沿いを走って八王子付近まで行くことにした。
多摩川沿い、良い。冬なのでもちろん寒いが、遮るものがないので冬の日差しが全身に降り注いで暖かい。漕いでると体も温まってくるので寒さもあまり気にならない。天気いいし川気持ちいいし、ルート選びは大切ですね。甲州街道走るよりはるかにQOL高い。
途中聖蹟桜ヶ丘に寄って、ちょいえぐい坂を登って写真撮影。
【ダム好き】
宮ヶ瀬方面には何度か行っていて、この時どんな感じで回ったのか覚えていなかったが、写真を振り返るとどうやら相模湖の相模ダムだけ寄って帰ったっぽい。多分日没とか、高尾山口駅の温泉に入って輪行して帰ることとかを考えた結果だと思う。まあせっかくなので、行っていない宮ヶ瀬ダムも併せて紹介いたす。
この時のルートはうろ覚えだが、聖蹟からさらに相模川を進んで、石田大橋で甲州街道と再びぶつかるので、甲州街道に乗って八王子まで進み、そこから南下して橋本に昼頃に到着。昔「吉凛」という、橋本にあるラーメン屋に家族で行って美味しかったことを思い出したので地図で探して「吉凛」で昼飯を済ませ、橋本からは西に進んで相模川沿いを走り津久井湖を通過して相模湖に到着したと思う。
このとき国道413号などを通って相模湖に向かったため、ダムは上流側から見ることになった。上流からなのであまり迫力はなかったが、ダムの上を走れたので満足です。
【ダム好きの原点:宮ヶ瀬ダム】
自分は小学生の時、社会科見学的な行事で宮ヶ瀬ダムに初めて行ったが、その時ダムのスケールの大きさに圧倒されたことを覚えている。高校2年で自転車に本格的に乗りたいと思い初めてクロスバイクを買った時も、上り坂にひいひい言いながら宮ヶ瀬ダムに行った。当時は相模原に住んでいたので近くてちょうど良い距離だった。写真のデータを見たら、2014年の11月16日だったらしい。東京の祖母の家に引っ越してロードバイクを買ってからも宮ヶ瀬ダムまで走って行った。これが2016年の年末のことである。このときは近くの城山ダムも行ってみたが、ちょうど放水中だった。初めてダムの放水を見られて少し感動した。
宮ヶ瀬ダムのいいところは、都心から近くてアクセスが良いくせに、でかくて迫力がある点だ(小学生並の感想)。とにかく巨大な構造物が好きな自分にはたまらない。秋頃になると綺麗な紅葉の中を走るのもとてもよい。近くにオギノパンというめちゃ美味いベーカリーがあるのもサイクリングにちょうど良い。
みんなも宮ヶ瀬ダム行こう。
【ランの最後は温泉】
時間は2018年2月に戻る。余裕があったら宮ヶ瀬の方にも行こうと思っていたが、昼飯を橋本で済ませたことからも分かる通り、あまり時間には余裕が無かったので今回は断念して、高尾山口を目指す。相模湖についた時点で既に暗くなり始めていた。
地図上でみると近く見えるが、実際は相模湖と高尾山口の間には峠があり、今から峠を走る余裕はなかったので少し遠回りして山を避けていくことにした。しかし、ところどころバイパスがあったりして想像以上の遠回りを余儀なくされ、相模湖からさらに20km以上走らされ、辺りは完全に暗くなっていた。この時期は日が沈むと一気に冷え込んでくるが、山間部であったため日が沈むのも早く、凍えながらの到着であった。
高尾山口に温泉があって本当に良かった。ロングライトの後の温泉は格別であるのはもちろんのこと、この時は体が冷え切っていたためその気持ち良さも一入であった。高尾山の登山客を狙った温泉であったため観光地料金で少し高かったが、最高に気持ち良かったので無問題。
次回は東京湾ラン
【最上川】夏合宿の終わり
【今日の目的地は?】
夏合宿が終わって3日目、この日は鶴岡からスタートするわけだがまだ目的地は決まっていない。どこへ行こうか悩んでいたところへ、昨日偶然道の駅で会ったサークルの先輩から、大曲の花火大会を一緒に見ないかというLINEが来た。少し逆走することになるが、行き先が決まった方が走りやすいのでとりあえず大曲を目指すことにした。ただ、昨日と同じ道を走ってももったいないので、まず内陸に入って、山間部を走ることにした。
しかしいざスタートすると、向かい風がきつすぎる。まっすぐ走ることすらままならない。普通に走れば花火大会が始まる時間までには余裕はあるはずだったが、こんな風では開始時刻に間に合うかすら怪しい。というか走ってて辛すぎる。気持ちは花火に向いていたが、こんな辛い思いしてまで見たい訳ではないので、先輩に断りを入れてルートを変更することにした。
すでに少し内陸に入っているので、少し進路を変えてこのまま最上川を遡上することにした。
【最上川好き】
急遽最上川沿いを走ることになったが、最上川に沿って走る国道47号が良い。路面は少し荒れていて走りにくいところもあったが、程よいアップダウンがある渓流沿いの道となっていて、走っていてとても楽しかった。最上川から少し外れると田んぼが広がっているのもとてもよい。渡良瀬川のときも思ったけどやはり渓流沿い好き。走りやすい。ただ、国道47号に関しては車の交通量が多いのは少し残念だった。
先日の雨で濁流が増水していたので、いずれ綺麗な状態の最上川を見てみたい。この願いを果たすため、約1年後にリベンジすることになる。
【長い3週間の終わり】
最上川を遡上し終え、新庄市に着いた。この後は南下して山形まで走り、合宿前に走ったルートと合宿後に走ったルートを合流させてこの旅を終わらせることにした。もうたくさん走ったので満足だった。
新庄市から70kmほど走り、山形に到着した。この日の序盤の向かい風と最上川のアップダウンで想像以上に疲れていたらしく、全く速度を出せなかったがなんとか辿り着いた。
山形についてからは、3週間前にも行った「スーパー銭湯 テルメ」で汗を流し、3週間前に行こうとしたら既に閉まっていた「蕎麥麵茶屋 悠膳」で腹を満たした。疲れ切った時の蕎麦は良いね。体に優しい。
この後は新幹線に乗って帰るだけだったが、銭湯と蕎麦屋でのんびりしていたせいで、駅についた時点で次の新幹線まで5分しか無かった。その次の新幹線は1時間半後である上に終電だったため帰りが遅くなる。さっさと帰りたかったので今までに無い速さで輪行を済ませ、輪行袋を担いで構内を猛ダッシュして何とか新幹線に間に合った。駆け込み乗車は危ないのでやめましょう。
夏合宿前後の自走で東北を初めて走ったが、正直物足りない。雨のせいで蔵王や青森は走れなかったし、鶴岡から先、新潟方面の日本海側も走れていない。来年の夏はここら辺を走り尽くしてやる。
こうして、大学2年の長い夏合宿は終了した。
【日本海と最上川】北海道夏合宿後3日目(秋田~鶴岡)
【豪雨から一夜明け】
2019年8月25日、この日は秋田から日本海沿いを通って鶴岡まで行く予定であったが、昨日の豪雨で果たして走れるのか不安だったが、昨日の悲劇が嘘のように晴れ渡っていた。
念のため輪行して帰ることも考えていたが、あらゆる路線が豪雨のせいでストップしていたので走るしかなかった。まあせっかく晴れたし走るかって感じでスタート。
出発してすぐ、「雄物川」という川にぶつかったが、豪雨のせいで水量がとんでもないことになっていた。げに恐ろし。
【日本海わっしょい】
今まで様々な場所を走ってきたが、本格的に日本海側を走るのは今回が初めてである。同じように日本中様々な場所を旅していた先輩から「日本海マジでいいから絶対行け」的なことを何度も言われていたので、ずっと走ってみたいと思っていた。
実際に走った感想としては「めちゃ走りやすい」って感じ。車通り少ないし、アップダウンもほとんどないし、右手にはずっと日本海広がってて美しいしとてもよいぞ。ただ、惜しむらくは昨日の豪雨のせいで、海が少し濁ってしまっていたことだ…。まあそれでも十分美しかったので満足。
いつか必ず青一色の日本海が見たい…!
この願いは1年後に果たされることになる。
【にかほ市好き】
道中にかほ市という海沿いの集落を走ったが、そこがめちゃ良い場所だったので紹介する。
この日は基本的には国道7号に沿って走っていたが、途中地図を見たときに7号から少し外れたところに「由利海岸波除石垣」という名前の名勝を見つけた。波除石垣、なんか良さそう。気になったので少し寄り道することに。
確か石垣には寄ったはずなんだが、写真がない。言い方が悪いけど、写真を撮るほどのものでは無かったのだと思う。なんか横にやけに長い石垣を見た気はするけどあまり映えなかったのかな。
期待した場所に行ってみると大したことなかった、ということは往々にしてあるので特に気にせず、せっかくなので周囲を散策してみるとそれがとても楽しい。にかほ市にはなぜかとにかく鳥居がたくさんある。神社の入り口にはもちろん、砂浜の少し高くなったところにある小さな祠、道のわきに突如現れる千本鳥居の小さい版みたいなやつとか色々あった。自分は鳥居が好きなので、あちこちに鳥居があるにかほ市内をゆるゆる走るのはとても楽しかった。それぞれの鳥居が出来た経緯とか気になる。いつかまた機会があったら行ってみたい。
【日本海はいいぞ】
にかほ市を過ぎた後も、田んぼに突き刺さる風車とかもいい感じだった。これぞ海沿いの道って感じの、ずっと遠くまで続いている道を走り続けるのもとても楽しかった。
【最上川、そしてゴールへ】
にかほ市から40kmほど南下して酒田市に到着した。ここには最上川の河口があるらしいので行ってみると、ちょうど夕焼けの時間であり、しかも昨晩の大水で増水していたことも相まって圧倒的な光景が広がっていた。この日は夕焼けが綺麗だった。
夕焼けの最上川を堪能した後はさらに南下して鶴岡市へ向かった。本日の目的地は鶴岡市の快活クラブであったが、周辺に温浴施設が無かったので、仕方がなく5kmほど北にある「なの花温泉田田」という場所で風呂を済ませた。この時の「なの花温泉田田」からの快活クラブ鶴岡店というムーブは稲葉の定番となり、大学生の間にあと2回利用することになる。
大雨の翌日でどうなるかと心配していたが、何の問題もなく日本海を満喫して走破することができた。
明日どこへ行くか特に考えていないがどうしようか…。さらに南下して某先輩おすすめの笹川流れに行くか、東に進んで最上川を遡上するか、少し逆走して大曲の花火大会を観に行くか…。
考えても決まらなかったので、明日起きたときの気分に従うことにした。
続く
【地獄】北海道夏合宿後2日目(青森~秋田)
※今回はいい景色の写真は皆無です。ご了承ください。
【青森から日本海側へ】
2017年8月24日、この日は青森から秋田に向かう。海沿いを走っていきたいと考えていたが、青森から秋田にかけてずっと海岸線を走るとなると距離が長すぎる。しかもどうやら雨雲が近づいてきているらしいので、できるだけ早く秋田に着くために輪行で大幅にショートカットすることにした。津軽半島の海岸線は今回は諦めて、男鹿半島を走るべく青森から輪行し能代に到着した。
【熱盛の悲劇】
能代から男鹿半島を回って秋田までは120km程度で登りも無いので余裕だと思ってあまり下調べをせず、後輩に勧められた「なまはげ館」に寄れればいいな、くらいしか考えていなかった。こんな舐めた考えだったのがいけなかった。
能代から走り始めて10分ほど経つと、空が暗くなり始めた。どうやら厚い雲が流れ込んできているらしい。文字通り雲行きが怪しくなり始めた。ただ輪行解除したばかりで降るかも分からない雨を避けてまた輪行するのは嫌だったので、特に雨雲情報などを調べることもなく漕ぎ続けた。
八郎潟の辺りを走っていると、遂に雨が降り始めた。すぐに止むことを信じて走り続けていたが、どんどん雨脚は強まっていく。これはまずい、とりあえず背中に背負っていたカメラにビニール袋を被せて浸水対策を施したが、この時既に少し濡れてしまっていた。
雨に耐えながら進んでいたが、男鹿半島に差し掛かったあたりで、流石にこのまま走り続けるのは無理だと判断。急遽輪行できる周辺駅を探したが、既に奥羽本線からは離れてしまっていたために、最寄りの駅まで13kmもあることが判明した。なんてこった。ここにきて初めて雨雲レーダーを見てみたが、1時間進めても2時間進めても雨が弱まる気配は無い。どうやら走るしかないらしい。覚悟を決めて雨の中を再び走り始めた。
いや雨強すぎる。これはヤバイ。もはや雨粒が痛い。風もめちゃ強い。なんだこれ。雨風の音が強すぎて他の音なんも聞こえん。ヤバイ。この中を13kmも走らにゃならんのか。死ぬ。助けて。
その時の雨はこんな感じ
2017-08-24 pic.twitter.com/Tr4VYWzgQT
— がくたび (@gakutabee) 2020年4月7日
雨に震えながら、風に吹かれながらなんとか進み続け、ようやく最寄(13km)の脇本駅に到着した。ほんとに死ぬかと思った。今まで走ってきた中で一番つらい13kmだった。
(この時の雨の様子は報道ステーションなどでも取り上げられるほどだった。放送事故で熱盛が出てしまいほんの少しだけ話題に)
https://togetter.com/li/1143611
結局この日は40km程度しか走らずにノックアウト。今後は天気予報の確認を怠らないことを心に誓った。
秋田まで輪行した後は、後輩に教えてもらった焼き鳥屋(確か「あべ屋」、うろ覚え)で一人で晩酌。秋田といえば比内地鶏ということで、親子丼が絶品だった。今まで食べた親子丼の中で一番美味かった。日中は散々だったけど、美味いもん食べられたおかげで救われた。また行きたい。
気付いたら4,000円以上飛んでいたが美味かったので無問題。夕飯を食べる前に回しておいたコインランドリーを回収して、自転車を押しながらいい気分で宿となる快活クラブに向かった。
明日には雨は上がっているっぽいので、いよいよ日本海側を満喫できるはず。
続く。
北海道夏合宿後1日目(八戸~青森)
【八戸キャニオン】
フェリーで夜を明かし、八戸に戻ってきた。
ここからどこへ行くか調べてみたところ、近くに八戸キャニオンという場所があるらしく、気になったので一緒に帰ってきたK本と行ってみることにした。細かい道を進み少し登ると工事現場のような場所に着いた。どうやら八戸キャニオンとは露天掘りの石灰石鉱山らしく、採掘場の最も低い場所で海抜-170mにもなるらしい。展望台の一番高い場所からでも底が見えない。幅も異常に広く、とても異質な場所だった。下まで行ってみてぇな(立入禁止)。
【ボッチ旅再び】
八戸キャニオンを堪能した後は少し戻って海鮮を昼飯にし、藏本と別れた。約2週間ぶりのボッチ旅が再びスタートした。この日は八戸を出発し青森を目指した。
道中は特に山や見どころがあるわけではなかったが、少し雲がかかった空がきれいだったので、それだけで走っていて楽しかった。
途中なんとなく立ち寄ってみた白鳥の飛来地は、季節ではなかったのでもちろん白鳥はいなかったが、空の模様も相まって神々しかった。
途中浅虫ダムというダムがあったので、ダムカードを貰いに行ったが、時間が遅かったせいですでに管理事務所が閉まっていて貰えなかった。ダムカード、休日や平日の夕方には配布していないのは何とかしてほしい。
【青森着】
この日は空がきれいだったこと以外はあまり見どころが無かったが、空が綺麗というだけで満足できるくらいには空が綺麗だった。青森駅近くに「青森まちなかおんせん」という温泉があったので寄ってみたが、温泉も施設も結構広く、夕飯も済ませられてとても良かった。
明日は輪行を駆使して秋田まで向かおう。